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季節の保存食公開日

庭の柿と干し柿、そしてサル

湯河原周辺では、実を残した柿の木が野生のサルのえさになります。町は早めの収穫を呼びかけています。渋柿なら、その早めの収穫がそのまま干し柿の材料になります。ゆっくり干し、サルの手の届かない場所に置き、カビた実は捨てることが条件です。

文・(Wild Food Japan 代表・編集)

古い日本家屋の縁側に吊るされて並ぶ、皮をむいた柿。2010年11月に山梨県甲州市の甘草屋敷で撮影されたもので、湯河原の写真ではありません。

画像クレジット: 甲州市・甘草屋敷の干し柿(さかおり (Sakaori)、CC BY-SA 3.0)

要点

湯河原町は、野生のサルが下りてくるため、庭の果樹は収穫に適した時期の前でも早めに採るよう住民に呼びかけています。町の2025年の調査では「庭の木の果実などを取られた」が318件あり、取られたものに柿と栗が挙がっています。

干し柿の原料には、ふつう渋柿を使います。神奈川県農業技術センターは、乾燥が渋抜きを兼ねているため、天気の安定した時期にゆっくり干す必要があり、乾燥機で急に乾かすと渋が抜けきらないとしています。

使うのは自分の木の実か、もらった実だけにします。干している途中で青や緑、綿のようなカビが出たら捨ててください。農林水産省は、かび毒の多くは加熱で分解せず、見えるカビを取り除いても安全にはならないとしています。

町が早めの収穫を呼びかける理由

湯河原は柑橘の町ですが、庭に柿の木がある家も少なくありません。10月の終わりには、その多くがオレンジ色の実をたくさんつけています。湯河原町によると、町の周辺には約30頭のニホンザルがいて、温泉場、宮上、宮下、城堀、鍛冶屋、吉浜、川堀の各地区に一年を通して出没します。果樹についての町の呼びかけははっきりしていて、収穫に適した時期があっても早めに収穫すること、果物や野菜くずを外に置いたままにしないこと(野生動物のエサになるため)です。

理由は町の数字に表れています。2025年のサルによる生活被害調査には453件の回答があり、「庭の木の果実などを取られた」は318件でした。家庭菜園や庭から取られたものとして、町は柿と栗も挙げています。神奈川県の令和8年度の計画では、湯河原町はサルを呼び寄せる果樹の位置を把握して所有者に通知するとしており、サルを誘引する作物の作付けを農業者があきらめざるを得ない状況も記されています。

早採りは干し柿に向いている

甘柿なら、早く採るぶん味は少し落ちます。渋柿なら、ほとんど関係ありません。もともと木からもいでそのまま食べるものではないからです。神奈川県農業技術センターによると、干し柿の原料にはふつう渋柿を使い、甘柿でも作れます。関東では甘柿でも、ほかの地方で育てると渋が抜けきらず渋柿になるものもあるとして、手近にある柿を有効に使うよう勧めています。柿の木のある家に越してきて種類がわからなければ、熟した実をひと口かじればすぐわかります。渋柿は口の中がすぐに渋くなります。

センターの作り方は短いものです。よく熟した、肉質の硬い柿を選びます。溝やくぼみに皮が残るとしわが寄り見た目も悪くなるので、皮は厚めにむき、ひもに掛けられるよう結果枝を残します。柿どうしが触れ合わないように吊るします。枝がない場合は、竹串に刺して吊るす串柿にするか、ザルに並べるか、コンテナやバットを使う方法も紹介されています。

ゆっくり干すことに意味がある

干すのは水分を飛ばすためだけではありません。センターは、乾燥が渋抜きを兼ねているので、乾燥機などで急に乾かすと渋みが完全には抜けず、柔らかさもなくなるとしています。乾燥には長い時間がかかるため、天気の安定した時期に始めます。農家では雨よけを兼ねて、軒下の竿に掛けて干すことがよく行われています。ただし、むいた柿の表面だけは早めに乾かす必要があり、家庭で少量なら温風ヒーターの前に置いて表面を乾かすよう勧めています。

干し始めて1週間から10日で表面が乾いてきます。ここで1回目の手入れをします。親指と人差し指で、周りから内側へ揉み回します。さらに5日から1週間後、同じように中心まで揉みます。種はこの手入れのときに小刀とピンセットで抜けます。干し上がった柿を乾いたワラの間に2〜3日置いてから寒風に当てると白い粉がふき、保存は紙箱などに入れて冷暗所で、とセンターは書いています。厚くむいた皮も風通しのよい場所でカリカリに干せば、昔からたくあんの甘味づけなどに使われてきたものです。

湯河原ではどこに干すか

軒下に並んだむき柿は、町が片づけてほしいと言っている食べものを、きれいに並べたものでもあります。町は、サルが引き戸や網戸を開けて家の中に入ってくることがあるとしています。町が名前を挙げている地区では、サルの手の届かない場所で干すのが私たちのおすすめです。風の通る窓辺など室内や、閉め切れる部屋です。干す場所がないときはコンテナやバットでもよいというセンターの説明が、ここで役に立ちます。どこで干すにしても、むいた皮や傷んだ実は屋外の堆肥置き場ではなく、ごみとして出してください。

作業中にサルが来たら、目を合わせず、背中を見せないように後ずさりして離れ、えさは絶対に与えないよう町は呼びかけています。西湘地域のニホンザルは神奈川県が絶滅のおそれのある野生動物に指定しており、許可なく捕獲することは禁止されています。住民が町から追い払い用の爆竹をもらう方法や被害の届け方は、姉妹サイトのYugawara Clubが町のサル対策ガイドにまとめています。

カビが出たら捨てる

干している間は、カビが出ていないかを見ておきます。できあがった干し柿にふく白い粉は、センターがふかせ方を紹介しているもので、あってよいものです。青、緑、黒っぽいものや綿のようなものは別物です。農林水産省は、カビが生えた食品は食べずに捨てること、見えるカビを取り除いても見えないカビが残っている可能性があること、かび毒の多くは熱に強く、ゆでる、焼くなどの調理では分解しないことを説明しています。日本にもアフラトキシンなど毒性の強いかび毒を作るカビがいて、見た目では区別できません。カビの出た実は捨て、残りもよく見ていてください。

自分の木か、もらった実で

これは自分の木の柿でするものです。塀越しの柿も、手入れされていないように見える畑の柿も、道路にはみ出した枝の柿も、すべて誰かのもので、採れば刑法第235条の窃盗になります。近所の木が食べ切れない実をつけていたら、声をかけてみてください。町が早めの収穫を呼びかけている今、実がなくなるのを喜ぶ持ち主も多いはずです。段々畑を埋める柑橘と、庭で育つ柿、びわ、栗という湯河原の果物の全体像は、姉妹サイトのYugawara Clubにまとめています。

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出典

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