公開インテリジェンス資料

日本のジビエ利用マップ。捕獲個体が使える供給になるまで

農水省の2026年6月版ジビエ資料は、単なる市場資料ではありません。日本ではシカやイノシシの捕獲数が大きい一方、監査可能で買い手が使える食材・利活用ルートに入る個体は限られる、という転換の問題を示しています。

使える問いは「野生肉はあるか」ではありません。「どの捕獲個体が、合法・冷却・許可施設・記録のある経路を通って、継続的な買い手用途に届くか」です。

農林水産省

捕獲鳥獣のジビエ利用を巡る最近の状況(令和8年6月)

公式フレーム:農林水産省 2026年6月版。分析レイヤー:公開出典台帳、計算値、買い手準備度の読み取り。非公開の仕入れルートは出していません。

原資料PDFを開く

データは検索できるDBとして保存

公開出典台帳はJSONで管理し、SQLiteにも同期し、この静的インタラクティブ資料として表示しています。公開ページの速度を保ちながら、将来の拡張に耐えるデータベース構造を残しています。

data/gibier-intel/gibier_intel.sqlite · data/gibier-intel/maff-june-2026.json

分析レンズ

中心的な制約は捕獲数そのものではありません。食用にできる個体が、冷却・許可施設・記録のある経路を通り、継続供給になれるかです。

公開事例や公式数字は、Wild Food Japan の仕入先・顧客・提携先・供給可否を意味しません。

公式指標

令和6年度 ジビエ利用量

2,678 トン

R6 / FY2024

農水省スライド 7

全国826施設で処理された利用量。平成28年度比で2.1倍。

公式指標

令和11年度 目標利用量

4,000 トン

R11 / FY2029

農水省スライド 9

ペットフード向けを含む捕獲鳥獣のジビエ利用量目標。

公式指標

全国平均の利用率

≈10 %

R6 context

農水省スライド 9

捕獲個体のうちジビエ処理加工施設で解体処理された割合は全国平均で1割程度とされる。

公式指標

稼働処理加工施設

826 施設

R6 / FY2024

農水省スライド 6

食肉処理業の許可を有し、野生鳥獣肉を処理加工した施設。稼働休止中の施設は含まれない。

どこで詰まるか

ボトルネック地図

農水省スライド 4, 8, 21

食用に適した捕獲

#2

ボトルネック

射撃部位、放血、異常確認、施設搬入までの時間によって、食用不適として受け入れられない個体が出る。

拡張できる分析

ハンター研修、現場衛生、異常確認、受入拒否理由を、供給データの主要項目として扱う。

買い手が確認すべき問い

処理施設に届く前の現場取扱いについて、どの証拠が残っているか。

追跡すべきデータ項目

hunter trainingbleeding statusabnormality checktime to chillrejection reason

用途別の分岐:食用・ペットフード・その他

利用量の中身を見る

令和6年度の2,678トンは、すべてが飲食店向けの食材供給ではありません。食用、ペットフード、その他を分けると、どの市場を伸ばす話なのかが変わります。

H28

1,283 t

食用1,015t · 79.1%
ペットフード150t · 11.7%
その他118t · 9.2%

R6

2,678 t

食用1,724t · 64.4%
ペットフード830t · 31%
その他124t · 4.6%

施設分布

826施設は均一ではない

施設数は処理能力そのものではありません。それでも、施設が少ない地域は搬入距離、冷却、一次処理、広域連携の確認が必要です。

都道府県別の稼働処理加工施設数

令和6年度に稼働した施設数で、47都道府県を色分けしています。各タイルに正確な施設数を表示しています。

施設数01–56–1516–3031–6061+
  • 北海道: 113 施設
  • 青森: 1 施設
  • 岩手: 3 施設
  • 宮城: 5 施設
  • 秋田: 5 施設
  • 山形: 1 施設
  • 福島: 0 施設
  • 茨城: 2 施設
  • 栃木: 0 施設
  • 群馬: 1 施設
  • 埼玉: 6 施設
  • 千葉: 16 施設
  • 東京: 1 施設
  • 神奈川: 8 施設
  • 新潟: 20 施設
  • 富山: 6 施設
  • 石川: 9 施設
  • 福井: 13 施設
  • 山梨: 11 施設
  • 長野: 33 施設
  • 岐阜: 35 施設
  • 静岡: 33 施設
  • 愛知: 10 施設
  • 三重: 25 施設
  • 滋賀: 16 施設
  • 京都: 29 施設
  • 大阪: 9 施設
  • 兵庫: 53 施設
  • 奈良: 16 施設
  • 和歌山: 23 施設
  • 鳥取: 14 施設
  • 島根: 23 施設
  • 岡山: 36 施設
  • 広島: 21 施設
  • 山口: 14 施設
  • 徳島: 13 施設
  • 香川: 15 施設
  • 愛媛: 12 施設
  • 高知: 12 施設
  • 福岡: 22 施設
  • 佐賀: 12 施設
  • 長崎: 20 施設
  • 熊本: 23 施設
  • 大分: 35 施設
  • 宮崎: 29 施設
  • 鹿児島: 16 施設
  • 沖縄: 6 施設

施設がない/1施設のみの県

青森: 1山形: 1福島: 0栃木: 0群馬: 1東京: 1

施設数の多い県

北海道
113
兵庫
53
岡山
36
岐阜
35
大分
35
長野
33
静岡
33
京都
29
宮崎
29
三重
25

出典で区切った主張

農水省資料は、ジビエ利用を単なるレシピや観光の話ではなく、鳥獣管理と食品流通の間にあるインフラとして示している。

農水省スライド 3, 4, 8, 9

限界: 資料は全国・政策向けであり、特定の買い手に対する地域供給の準備度を証明するものではない。

捕獲数が多いことは飲食店向け供給を意味しない。食材化は現場取扱い、冷却、施設搬入、記録、法令に沿った処理から始まる。

農水省スライド 2, 4, 8, 19, 21

限界: 都道府県別・施設別の転換率を推定するには、追加の地域ルートデータが必要。

ペットフードは、もはや注記ではなく、構造的に重要な利活用ルートである。

農水省スライド 9, 30

限界: ペットフードに向くことは食用に向くことを意味しない。衛生と市場の確認は別経路で必要。

表示・認証項目は商品の一部であり、野生肉を地域ストーリーから監査可能な食材へ変える。

農水省スライド 22, 23, 24

限界: 認証施設数だけでは、認証外で合法的に稼働する処理施設の状況は説明できない。

豚熱対応や出荷制限により、獣種・地域ごとの利用可能性は条件付きで変わる。

農水省スライド 26, 27

限界: ここでは農水省資料に示された時点の状況を記録する。実際の仕入れ前には最新の制限を再確認する必要がある。

地域、施設、商品に合わせて、この経路を確認する必要がありますか?

確認したい地域、施設、商品、買い手の用途を送ってください。無料の問い合わせで相性を確認し、具体的な経路や判断を1つ扱う場合は有料の作業相談をご利用ください。