おかやまジビエフェアの公募が見せる、利活用に必要な実務コスト
6月19日に出た岡山県の企画提案募集は、派手な食の話ではありません。飲食店、許可施設からの仕入れ、ウェブ、広告、店頭資材、消費者アンケートまで、ジビエフェアを実際に動かす仕事が見える資料です。

画像クレジット: Plated bone-in meat with herbs by wildfood.jp editorial artwork, Original site artwork
役に立つ話は仕様書にあります
岡山県は6月19日、令和8年度おかやまジビエフェア開催業務の企画提案募集ページを更新しました。ページ自体は業務委託の公告ですが、添付された仕様書の方が、多くの宣伝文より実務的です。予定されているフェアは「おかやまジビエフェア2026~ジビエをお店で食べよ!~」。2026年11月から3~4カ月程度、20~30店舗程度の参加を想定しています。
ここが重要です。仕様書では、ジビエが雰囲気ではなく仕組みとして扱われています。参加店はおかやまジビエを使った料理を提供することが前提で、条件には、県内の食肉処理業、食肉販売業など必要な許可を得た施設から仕入れるジビエ取扱事業者であることが示されています。飲食店、処理経路、ガイドブック、特設サイト、広告、店頭資材、Instagram更新、景品発送、消費者アンケートまでが一つの仕事になっている。派手ではありません。だからこそインフラです。
岡山県が買おうとしているのは、調整力です
委託限度額は税込2,857,294円、委託期間は2027年3月23日まで。受託者には、参加店の募集と取りまとめ、できる限り県サブドメインを使う特設サイト、インターネット広告、県の「おかやまジビエ」Instagramの週1回以上の更新、A4チラシ18,000部とB3ポスター100部、店舗用PR資材、県産品などのプレゼントフェア、終了後の参加人数や年代などの集計報告が求められています。
この地味な中間層が、野生肉を実際の需要にできるかを決めます。捕獲されたシカやイノシシは、地域らしい物語があるだけでは飲食店の食材になりません。合法的な捕獲、適切な施設での受け入れ、衛生を前提にした処理、冷蔵・冷凍、記録、買い手が内容を理解できる情報、そして客に過剰に言いすぎない説明が必要です。フェアは、それらの接続を正直に試す場になり得ます。
買い手がここから学べること
岡山県外の飲食店にとっても、教訓は簡単です。物語の前に経路を聞くこと。どの施設で処理されたのか。供給者はどの許可を持っているのか。地域のガイドや公開情報につながっているのか。種、部位、処理日、冷蔵か冷凍か、調理案内はあるのか。継続して届くのか、それとも季節の一頭だけなのか。
自治体にとっても実務的です。規制された野生肉の仕組みは、合法的な捕獲後の鳥獣管理の一部として役に立ちます。廃棄を減らし、地域需要をつくり、個体を扱うコストを見える化できるからです。ただしそれは、処理能力、冷蔵・冷凍、許可、飲食店との伝達、買い手の透明性を、食イベントの飾りではなく本体として扱う時だけです。
さらに読む
- 農水省6月版のジビエ数字が示すボトルネック。食用にできる個体を、適切な施設へ運ぶこと — ジビエ流通ノート
- わかやまジビエフェスタは、冬メニューだけでなく流通の実地テストです — ジビエ流通ノート
- 日本のジビエとは何か。買い手のための実務ガイド — ジビエガイド
出典・参考リンク
- 令和8年度おかやまジビエフェア開催業務の企画提案募集 — Okayama Prefecture (JA)
- 令和8年度おかやまジビエフェア開催業務 委託仕様書PDF — Okayama Prefecture (JA)
- ヒーロー画像:骨付き肉とハーブの皿 — wildfood.jp
関連動画・メディア
- ヒーロー画像:骨付き肉とハーブの皿 — wildfood.jp